城崎温泉といえば外湯めぐり。
温泉の名称として、各旅館の中にあるお風呂のことを「内湯」、外にある共同浴場のことを「外湯」と言います。
道智上人が一千日祈願して湧き出した「まんだら湯」で、これが城崎温泉のはじまりです。
城崎に住む人々にとって、7つの外湯は自宅のお風呂のようなもの。
道智上人が城崎温泉を開湯してから1300年。
外湯めぐりに出かける前に知っておきたい7つの外湯の昔話やトリビアを紹介します。
一の湯
合格祈願・交通安全、開運招福の湯
「一の湯」ができた江戸中期、「一の湯」は、新湯(あらゆ)という名前でした。 “新湯”を一躍有名にしたのが、江戸時代の名医“香川修徳”が書いた「一本堂薬選」です。香川修徳は、「薬選」の中で、「城崎新湯(一の湯)は天下一」と述べています。天下一の温泉だと賞賛された新湯は、「一の湯」に改名することとなりました。「一の湯」の”一(いち)”は天下一の”一(いち)”なのです。
御所の湯
火伏防災・良縁成就、 美人の湯
南北朝時代の歴史物語「増鏡」に、文永四年(1267年)に後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯された記事があることから、「御所の湯」と名付けられています。
館内は但馬の山をイメージしたキンキマメザクラやミツバツツジ等の植栽を施し、裏山を借景にした開放感溢れる露天風呂です。
まんだら湯
商売繁盛・五穀豊穣、一生一願の湯
道智上人が一千日の間、八曼陀羅経(はちまんだらきょう)というお経を唱え続けたところ、満願し霊湯が湧き出したのが城崎温泉のはじまりです。
その仏縁から「まんだら湯」と名付けられ、昔から建物は唐破風様式となっています。
自然美あふれる裏山の景色を眺めながら入る露天風呂が人気です。
地蔵湯
家内安全・水子供養、衆生救いの湯
江戸時代、多数の村民が入浴していたことから“里人の外湯”と呼ばれていました。
この湯の泉源から地蔵尊が出たので「地蔵湯」という名前がついたそう。此来庭内に地蔵尊を祀っています。
2階には家族風呂や畳敷きの広い休憩所などもあります。
鴻の湯
夫婦円満・不老長寿、しあわせを招く湯
城崎温泉は1300年前に道智上人が開湯しましたが、「鴻の湯」には城崎温泉のもうひとつの開湯伝説が残っています。
昔々、足を怪我したコウノトリが傷を癒やしていた場所をよく見ると、温泉が湧き出していたそうです。これが「鴻の湯」です。
「鴻の湯」は“コウノトリのお湯”なのです。
柳湯
子授安産、子授けの湯
中国の名勝西湖から移植した柳の木の下から湧き出たことから「柳湯」と名付けられました。
外湯の中では一番小さい温泉ながらも風情があり、人気があります。
駅舎温泉 さとの湯
ふれあいの湯
「さとの湯」は外湯のなかで一番新しい温泉です。
駅舎温泉の名の通り、城崎温泉駅の至近距離にあるため、電車の待ち時間にひとっ風呂が実現してしまいます。エキゾティックな雰囲気が漂い、ハーブの香りや滝の音に満ちた不思議な空間です。悠々と流れる円山川や自然を眺めながら、ゆっくりお過ごしください。入り口には無料の足湯もあります。